窒息するオフィス 仕事に強迫されるアメリカ人

窒息するオフィス 仕事に強迫されるアメリカ人


窒息するオフィス 仕事に強迫されるアメリカ人 窒息するオフィス 仕事に強迫されるアメリカ人
岩波書店 岩波書店 森岡 孝二
¥ 2,415

働きすぎのアメリカ人―予期せぬ余暇の減少
企業中心社会の時間構造―生活摩擦の経済学
非常識な労働時間―“サービス残業”自由化ねらう政府、財界
捨てられるホワイトカラー―格差社会アメリカで仕事を探すということ
働きすぎの時代 (岩波新書 新赤版 (963))

■会社が求める「24/7」の要求は、アメリカだけの問題ではない。 評価5 日付2007-09-29
アメリカで2001年に出版されたこの本は、日本では2003年に出版された。そして、私が読んだのは2007年と、タイムラグをもって読んだが内容から受ける共感は薄れていなかった。
会社が利益のためリストラを決行し、収益の増加は株主に還元され給与には反映されず、むしろ様々な諸手当が消え待遇の悪化を感じずにはいられないのに、転職の難しさからその仕事にしがみつかざるを得ない。厳しい労働条件に耐えざるを得ないのは、他ならないノートパソコンや携帯電話などが労働者の個人的犠牲を強いてくるからだ。会社が求める「24/7」の要求は、アメリカだけの問題ではない。
■アメリカのホワイトカラーの実態 評価3 日付2007-08-27
タイトルの通り、ホワイトカラーの労働条件の厳しさを実話を元に
まとめたものである。大変興味深いテーマを扱った本であるが、や
や事例が多用され過ぎて、内容が薄く感じてしまったので☆を三つに
しました。
■仕事に漂流して。 評価5 日付2006-07-09
 バブル崩壊により 日本は経済活動に著しく自信を失った。バブル清算にも15年以上掛かった。その間に 謳歌したのが米国である。米国式経営は全て素晴らしいという論調が日本を席巻したのも無理は無い。米国のビジネスマンのスタイルに憧れる向きも多かった。

 この本は そんな暢気な我々に冷水をかけるような本である。

 携帯とメールで 仕事が家庭を侵食しているという話は 冗談抜きで笑えない。小生ですら 休日の朝一番の作業は仕事関係のメールチェックである。良く考えるとおかしな話だが それをおかしく感じることが出来なくなっている。まさに頭すら侵食されているわけだ。

 そう考えると いささか慄然とする。確かに我々の上の世代にはかような状況は無かった。そう考えるとITの齎したものは大きい。

 我々は どこに行くのだろうか。
 

 
■成果主義の正体見たり 評価4 日付2005-04-30
今や旧来の感のある日本型年功賃金は、労働者の生活保障型賃金であったと言われる。年金、保険、家族手当、住宅手当、等の諸手当など、福利厚生にも重点が置かれ、経営者と労働者の関係は良き関係(コミットメント)の基に共に繁栄することであり、とりわけ終身雇用を前提としていることがそのことを明確に示している。これは、資本主義経済のもと、各企業は自由競争の原理に沿った活動を行いつつ、個々の企業内部では”社会主義的”な組織運営が行われていたと見ることもできる。これに対し成果主義賃金はどうか。労働者が受給する賃金は多くの福利厚生費が捨て去られ、成果給のみとなった。個人の生活の保障は、個人の能力と責任においてのみ行えということである。同時に終身雇用も捨てられた。つまり、かつて社会主義的であった企業内部においても、”自由競争原理”を導入したわけである。自由競争には当然、勝者と敗者が生まれる。飛躍的に成長する企業もあれば、大小を問わず倒産する企業もある。これは今や企業内部でも同じだから、勝者と共に敗者が必然的に生まれ、敗者は会社を去れということになる。これは純粋な自由競争の観点からは理にかなったことではある。新自由主義とも言われるが、経営者は自らと株主の利益以外には感心が無く、労働者はできるだけ低賃金で雇うことが理想的とされるのである。幸いにも日本においては成果主義賃金を導入した企業のほとんどが低迷し、見直しを余儀なくされているが、これに成功し90年代に空前の好景気にわいたアメリカは一体どうなったのか。結果は本書に記述されている幾多の事例が示している。一部経営者と株主は巨万の富を得たが、大多数の労働者(ホワイトカラー)は生活苦と失業の恐怖にあえいでいるのである。これが原理主義的資本主義の本当の恐ろしさなのであろう。
■日本の現状を思い出させる 評価3 日付2003-08-09
マスコミなどで前評判の高い本でしたので、読んでみました。内容としては、アメリカのホワイト・カラーの生活が仕事によって以下に圧迫されているかを、これでもかというほど、様々な例を挙げて示されています。このようになった背景には、アメリカ企業の7割が海外との競争に晒される中で、繁栄の中でもリストラの手を緩めることができなくなったことが大きいようです。いつ仕事がなくなるのか分からないという強迫観念に襲われる中で、さらにEメールや携帯などの情報通信が発達してきたので、オフィス以外の通勤時間でも家庭内でも仕事に切れ目がなくなったことも、状態の悪化に拍車をかけているようです。長時間労働に加え、福利厚生や年金制度などがどんどん悪化していることも人々を疲れさせている一因となってきました。

このような状況は、バブル崩壊後の日本の企業で起こっていることと通じるところが多いように思います。著者は解決策としては、あまり具体的に役立つことを示唆しようとはしていないようですが、現状を知る、という意味で、大変興味深い本だったと思います。


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