秘境駅へ行こう! (小学館文庫)

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秘境駅へ行こう! (小学館文庫) 秘境駅へ行こう! (小学館文庫)
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■秘境駅か…。 評価4 日付2008-07-11
とりあえずの鉄道好きなので、この本が気になり、購入しました。
僕は田舎の割に鉄道が便利な滋賀県に住んでいるので、「秘境駅」なるものを見たことがほとんどありません。
著者の無謀な挑戦を見ているのも面白い。
中には、列車が止まらず、歩いて(しかもかなりきつい道)行かなければ行けない駅もあり、そんな駅に対する僕の意見としては「列車が止まらないんだからもはや秘境駅じゃなくて廃止駅じゃん」て感じ。
他にもなかなかいろいろな駅が載っているので、これからの旅行計画を立てる参考にしたいと思っています。
ただ、この本の著者が秘境駅を訪れるために線路を横切ったり、トンネルを歩いて通ったという点で、他人に迷惑をかけてはさすがにいけないだろうという点で★ひとつ減点。

■ユーモアあふれる自由な汽車旅 評価4 日付2008-01-03
本来、人々が集まる場であるはずの駅。
だが、筆者が探訪する駅は、まわりに人家がなく、そこに道さえ通じておらず、命がけで探索しないとたどりつけないような場所さえある。
本書は、そのような「秘境駅」が全国に多く存在していることを改めて描き出し、鉄道趣味の新たな一分野を築くほどのインパクトを与えた。

もはや実用性を持たないさびれた駅を懸命に訪れるという趣味的な行為について、そのおかしさを時に客観視したユーモラスな筆致を交え、筆者は描く。
人里離れた駅をふらりと訪れ、その駅のたどってきた栄枯盛衰の歴史に想いをはせ、時にはそこで「駅寝」をして一夜を明かす。

そんな自由気ままな一人での汽車旅は、隠れた大人の趣味として魅力を持っていることを、改めて感じさせてくれる一冊でもある。
■実地で確かめに行く姿勢に敬意 評価4 日付2007-10-16
周囲に人家がほとんどなく道路からのアクセスが難しい駅、すなわち秘境駅でも、鉄道なら容易に到達できるはずだ。しかし、秘境駅を抱えた路線は列車の本数自体が極めて少ない超ローカル線だったり、たとえ幹線上にあってもそういう駅にはほとんど列車が停まらない。それゆえ秘境駅は、そこに通ずる鉄道を使っても到達が非常に難しい。

なるほど、考えれば当たり前の話かもしれないが、筆者のように実際に行ってみないとその難しさは分からないのだろう。筆者のように妻子持ちで転勤もあるサラリーマンが、こういう非常に労力を伴う旅を続けているという事実に素直に驚く。本書のベースとなった筆者のホームページも秀逸。
■「自然と文明の接点」としての「秘境駅」 評価5 日付2005-10-02
本書は、ほとんど人の利用がなく、自然の中にある駅を「秘境駅」と名づけ、その現地訪問記が多数掲載されたものである。

本書で著者が、さまざまな興味深い訪問記によって明らかにするように、こうした秘境駅では、ほとんど手付かずといっていい自然に接することができる。さらに、著者も指摘するように、これらの「秘境駅」の多くが、当時の鉄道事情のために、信号所などの設備として設置されたものであることから、その存在が単なる「自然の中にある」というだけではなく、鉄道という近代文明の象徴のひとつと密接に結びついていることが示されている。

こうしたことから、「秘境駅」を「自然と文明の接点」として考えることが可能ではないか。すなわち、秘境駅が存在している空間そのものが、まさにアクセスが非常に困難な自然の中にあり、著者も野犬に襲われかけた経験が示すように、恐るべき「自然の力」を見せ付けている。それと同時に、こうした自然の中に鉄道という手段で比較的容易にアクセスできること、それそのものが「文明の力」とでもいうべきものであり、こうした「自然の力」と「文明の力」のぎりぎりの接点にあるのが、「秘境駅」といえるのではないか。

すなわち、秘境駅旅行は、都会では絶対に触れることのできない、むき出しの自然に接することができると同時に、それそのものが可能となり、また容易に、その都会へと戻ることを可能たらしめる文明の存在の両者を実感することができるだろう。

さらに、こうした「秘境駅訪問」それ自体が、さほど多くの資金を要せず、自然に接することが可能になることからも、量的拡大ではなく質的充実が経済活動の基本となる「質の経済」の一側面がここに表れているともいえる。事実JR東日本は、本書でも紹介されていた押角駅訪問のための「秘境駅号」という臨時列車を企画しており、このことの事例といえるのではなかろうか。


■なぜこんなところに駅があるのか 評価3 日付2005-07-01
 私は東海道沿線、それも神奈川県内で生まれ育ったので、駅は大勢の乗客が乗り降りするところ、何人もの駅員がいるのが普通だと思っていた。無人駅というものが存在することにすら疑問を感じていた。しかし、本書を読んで自分の至らなさを感じ入った。駅というのは、別に住民や利用客の有無を勘案して設置されるものではなかったのだ。
 本書は存在意義の感じられない駅ばかり、31ヶ所が取り上げられている。函館本線の張碓、高千穂鉄道の影待、大井川鉄道の尾盛などなど。ほとんどは耳にしたこともない駅である。周辺は原野、山林などで住民はほとんどおらず、当然のことながら利用客もいない。普通列車ですら通過してしまう駅があるのは驚きだった。そういう駅をひとつひとつ訪れていくのが本書。駅に関する既成概念を覆してくれる。
 不満なのは、利用者のいない駅が誕生した理由が充分に語られていないこと。
 もう少し文章のうまい人ならなあ、とも思う。
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