欧州通貨統合のゆくえ―ユーロは生き残れるか (中公新書)

欧州通貨統合のゆくえ―ユーロは生き残れるか (中公新書)


欧州通貨統合のゆくえ―ユーロは生き残れるか (中公新書) 欧州通貨統合のゆくえ―ユーロは生き残れるか (中公新書)
中央公論新社 中央公論新社
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欧州中央銀行の金融政策とユーロ
拡大するユーロ経済圏―その強さとひずみを検証する
「ヨーロッパ合衆国」の正体

■通貨統合の制度的矛盾を解説 評価5 日付2007-12-23
以下のような内容の本である。
EUの市場統合を進めていくためには,
「為替リスクの回避」と「両替手数料の廃止」という面から
通貨統合が不可避であった.
しかしながらユーロ高が進行しているものの,現行の通貨統合には根本的な制度的矛盾がある.
それは,
1.金融政策はEUで一律であるにもかかわらず,財政政策は各国に委ねられ,各国に経済的な主権を残す形になっている,
2.金融政策の効果が各国で異なる形で現れる,
3.欧州中央銀行の役割が何よりも「物価の安定」に置かれている,

このような根本的な矛盾の中で,この本が書かれた2004年以降,EUは堅調な経済発展を続けているが,それはどう説明できるのか.著者による続編を期待したい.

■EUの基礎を学べる 評価4 日付2007-03-09
ヨーロッパ経済論と言う授業の補足として買ってみました。

僕らは日本人なので、ユーロに対するイメージといったら「ヨーロッパで通貨が統一されたのかぁ」くらいですよね。

まぁでも実際通貨統合ってすごくないですか?

凄さはアジアになぞらえて考えればわかるはず。
どう考えてもアジアで通貨統合は無理でしょう。
経済格差がでかすぎます。

で、ヨーロッパはどうなのか、と。

欧州にも経済格差ありますからね。
その中でどう上手くやっていくか。

驚いたのはEU加盟国って基本的には金融政策統一されてるんですよ。
つまり自分の国で勝手に金融政策できない。

これは問題起きないほうがおかしい。

って事で色々問題起きてます。

欧州大変です。


■ユーロの最適な入門書 評価4 日付2007-01-03
 ユーロ導入までの歴史と導入後の6年間を冷静に分析した良書です。個人的には1)ユーロは機軸通貨ドルの対抗馬となりうるのか2)欧州経済のブロック化が進んでしまうのではないか3)ユーロに課題はないのか、という疑問を持って本書を手に取りました。疑問1)と2)に関する回答となるような予測は本書には述べられておらず、3)の回答、つまりユーロの課題に焦点を絞っています。これほどユーロが多くの重大な課題を持つことに対して驚かずにはいられません。今後、欧州経済が景気循環の谷に直面した時にユーロの真価が問われると感じました。ユーロを冷静な視点で観るように読者を導く良書です。
■ユーロが現在抱えるリスクを理解し、克服するための必読書 評価5 日付2006-05-02
フランスとオランダによる欧州憲法条約の否決は、EUが更なる深化と統合を実現するには未だ課題が多いことを示します。同様の言及はEU統合の象徴であり、EUの動向を左右する、ユーロに関しても該当します。日本ではドルへの対抗意識から、ユーロを過度に礼賛する傾向がありますが、経済構造の異なる国々に単一通貨が導入されれば、無数の問題が生じることは明白です。本書はユーロ導入で欧州諸国が直面した問題を検討し、ユーロがドルの対立軸となる方策について考察したものです。
欧州諸国の諸問題は、間接的には経済構造に原因があると言えます。第2章では、欧州での地域間労働移動の硬直性、産業構造の異質性などが、最適通貨圏の論理に基づき丁寧に解説されています。最新の経済学理論を用いながら、噛み砕くほど丁寧な説明が為されており、素人の私には大変読み易い。現在のユーロ域が最適通貨圏ではなく、そのために多数の問題が生じていることが、素人の私にも良く理解できます。
そして諸問題の直接的な原因は、最適でない通貨圏で取られた、マクロ経済政策にあると言えます。第3章ではこのマクロ政策を、金融、財政、為替の3点から解説していますが、特に金融、為替に関しては、欧州中央銀行が現政策に固執した結果生じた側面が強い。政策面の問題はいずれも微妙かつ複雑ですが、本書を読む限り、各国の多様な動向を踏まえて、適切な政策を柔軟に打ち出す以外、解決への処方箋はなさそうです。
マクロ経済政策や経済構造を改善しない限り、新規加盟国や国際市場が欧州に与える衝撃も緩和できません。著者同様ユーロの将来に期待するのであれば、尚更ユーロの現在のリスクを正確に理解し、改善する必要があります。その意味で本書には多数のユーロ礼賛本にはない価値があり、ユーロの将来に期待する人には必読書だと思います。

■欧州経済入門としても 評価5 日付2005-04-11
堅調に推移しているユーロ相場であるが、通貨統合の維持には大きい犠牲が
伴っている。本書はユーロ導入に至るEU経済の発展史を展望しながら、
徐々に現在のユーロ圏諸国が抱える問題に迫る手法ゆえに明快である。
労働力の柔軟な移動こそが統一通貨維持に不可欠な条件であるが、ユーロ圏は
この条件をクリアできていない。これが図表で丁寧に説明されているのでよく
理解できる。通過統合や固定為替政策を実現するためにどのような条件が
必要かを考える上でも参考になる。
日本もアジアでの経済統合を目指している今日、欧州の例は大いに参考に
するべきだろう。
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