世界経済の謎―経済学のおもしろさを学ぶ

世界経済の謎―経済学のおもしろさを学ぶ


世界経済の謎―経済学のおもしろさを学ぶ 世界経済の謎―経済学のおもしろさを学ぶ
東洋経済新報社 東洋経済新報社
¥ 2,625

経済論戦は甦る (日経ビジネス人文庫 ブルー た 8-1)
世界デフレは三度来る 上 (講談社BIZ)
会計学の基礎 (有斐閣ブックス)
ポスト通貨危機の経済学―アジアの新しい経済秩序
世界デフレは三度来る 下 (講談社BIZ)

■20年来の謎が氷解 評価5 日付2007-05-23
 私の高校時代に政治経済という科目がありました。この科目を勉強したときから、経済とはなんだか胡散臭いものだなぁ、と感じていました。当時の先生に聞いても要領を得ず、経済学の教科書は難しすぎて、入門書程度しか読めません。入門書には経済学の有効性のみが述べられており、私の感じた胡散臭さの原因がわかりません。そしてその疑問は、忘却の彼方へ。
 本書は、たまたま図書館で見つけました。それまで、私が疑問に思っていたことにすべて答えてくれました。
 曰く、そもそも経済学とは胡散臭いものなのだと。しかし、みんながその胡散臭さを承認しているから、それでよいのだと。なぜ承認しているかというと、そのほうが生活に便利だから。なるほどそうだったのか。それだけのことか。
 しかし、自身の専攻している学問の対象を胡散臭いとはなかなか言えないものです。普通は、勿体ぶってしまう。だから、余計にわからなくなり、疑問が残る。結局、この本も手元に置いておきたくて、買ってしまいました。
 本書は、あくまで入門書です。一般の入門書とは異なり、事例から説明を始めているため、大変わかりやすいと思います。それでも難しければ、無理して全部読まなくてもいいと思います。一読の価値ありです。今からでも、当時の政治経済の先生に読んで欲しい一冊です。(笑)
■読みやすい 評価4 日付2004-10-02
筆者は前書きで「この本の内容は学部1年生向けのイントロだ」と明言しています。したがって、既存の学説のカタログとなるのは当然かと思われます。経済学の知識が全く無くても読み物として十分楽しめます。歴史に関する記述では多少不正確なところも見受けられましたが、そういう意味では筆者の意図はほぼ完全に果たされているのではないかと思います。
■謎解きではなく単なる経済トピックの紹介である 評価1 日付2004-04-17
タイトルは「世界経済の謎」であるが、内容は既知の経済問題とそれを扱った有名論文の紹介である。経済学のおもしろさを訴求するために本書を上梓したのならば、いまだ人知の及ばない経済現象のフロンティアにこそスポットを当てるべきではないか。このような経済学カタログ的な著作が登場するところに「今まさにそこにある実体経済」から目をそらした経済学の現状が露呈している。
とはいえ、ストーリーテラーとしての著者の筆致は見事である。過去の経済トピックを題材に、暇つぶしの謎解きを楽しみたいのであれば本書を購入する価値はあると思う。数学的な手続きを一切使わずに複雑なモデルを平易に解説する手法もなかなかである。
■ 経済学部生&OBの読物として最適 評価4 日付2004-01-12
 これは全くの私見であるが「細野真宏の経済のニュースが
よくわかる本 世界経済編」(小学館)は本書を参考に、
または著者の慶応大学での講義をヒントに著されたのではないだろうか。
 国際経済をベースにミクロマクロを問わず根本となる理論を
数式を一切使わず解説し、後半はデリバティブや社会保障

(実はネズミ講だと喝破するところが画期的!)のすごさ
と「危うさ」を解説している。
 経済学のおもしろさを伝える優れた本であると思うが、数式も
交えて解説したほうが明快な箇所もあったのではないだろうか。
それに、経済学を学んだことない読者にもわかりやすく解説するとはしがき

にあるが、本書は決して早わかりを目的とした本ではない(400p近くある
ので少し忍耐力が必要)し、同じ概念で発展した事項を説明した箇所もある
ので読者は、時折、立ち止まって考える必要があろう。
 本書はアダム=スミス、ケインズ、サミュエルソンなど、古典的で
スタンダードな学説からスティグリッツやバグワッティの最新の論文まで

こと細やかに引用されている。よって経済学部初歩の学生でなくとも
経済学部を卒業した社会人、卒論を控えた学生にとっては
改めて経済学のおもしろさを実感し、ヒントを得るところがあるのでは
ないだろうか。


■理論の説明が鮮やか 評価5 日付2003-09-17
 竹森俊平氏と言えば、かの「経済論戦は甦る」の方が圧倒的に有名だろうが、本書はそれにはやや知名度で劣るものの、やはり掛け値なしの名著である。

 本書の内容は一言で言えば経済学の啓蒙書である。しかし扱っている経済学は、非常に読者の興味をそそるような、本来なら「上級レベル」に位置されるようなものものばかりである。デリバティブ、裁定のファイナンスから、年金問題に至るまで内容は非常に幅広い。そして、それらを最新の(あくまでも刊行当時前後の、だが)経済学の権威ある専門誌の研究論文の引用している。
なんといっても、本書は非常に「読ませる」。

 この「読ませる文章」というのが啓蒙書の命だというのが私の考えなのだが、竹森氏はその能力にも長けた研究者ということだろ!う。


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