アジア経済の真実―奇蹟、危機、制度の進化
アジア経済の真実―奇蹟、危機、制度の進化
アジア経済の真実―奇蹟、危機、制度の進化
東洋経済新報社 東洋経済新報社
¥ 2,310
1997年――世界を変えた金融危機 (朝日新書 74) (朝日新書 74)
■アジア危機の本質をついた良著 評価5 日付2005-11-01アジア危機については非常に多くの文献があるが、当該書籍は本質をついているという意味で秀逸であるもののひとつである。アジア通貨危機を資本収支危機としてとらえた点、マクロ経済面だけでなく、金融システムの脆弱性といったミクロ的視点からアプローチしている点で、危機の本質に迫るものである。文体も非常に分りやすく、広くお勧めしたい。
■アジア通貨危機を考える上で必携の書! 評価5 日付2005-01-171997年のタイ・バーツ大暴落から始まったアジア通貨危機についてまとめた本です。
筆者はアジア開発銀行研究所長などを歴任する経済研究の権威で、
アジア通貨危機を説明する概念として、(ブラジルやメキシコの危機に代表される)
従来の経常収支危機とは異なる「資本収支危機」という用語を
世界で初めて用いた人物として有名です。本書も、アジア通貨危機について
もっとも説得力のある解釈を提示している良著の一つと言えるでしょう。
本書は、「東アジアの奇蹟」と呼ばれた高成長から
「アジア通貨危機」に至るまでの流れ(ミッシング・リンク)を解明しようという問題意識から始まり、
危機発生の原因をダブル・ミスマッチと呼ばれるバランスシート上の問題と位置づけた上で、
従来の経常収支危機と、資本収支危機との違いを明らかにします。
更に、アジア通貨危機の再来を防止する方策として、
①中間的為替レート、②債券市場の育成、③「最後の貸し手」の存在という三本柱へと帰結します。
アジア通貨危機を考える上ではぜひとも読んでおきたい一冊ですが、
内容はかなりハイレベルなものになるので、読了にはある程度の基礎知識が前提とされます。
ただし、苦労してでも読む価値はあると思いますので、
内容に興味を持たれた方は、ぜひとも読まれてはいかがでしょうか。
■アジア「資本収支危機」と景気循環 評価4 日付2003-09-11 1997年にアジアを見舞った経済危機を巡る説は多々ある。そんななか、初めて「資本収支危機」という解釈を提示したのが本書の著者である。「21世紀型危機」等の「新しい形の危機」という共通認識はあるものの、これまでの経常収支危機とは全く異なる危機であるという点を明快に示している。また、アジア危機を景気循環の一局面として捉えている点は興味深い。
『日本経済の真実』に次ぐ通説(諸説)批判的な著書であり、広く通説(諸説)を理解する上でも一読の価値があると思われる。
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