だれが日本の「森」を殺すのか
この本のタイトルにある「森を殺す」とは、そのような国内の森林資源を「活かせない」ことをいう。つまりこの本は、「森林生態系の破壊」を扱ったものではなく、一言でいえば「日本の林産業の衰退」の背景をテーマとしたものであり、そこから「木づかいの国」への若干の展望を示したものである。
外材と国産材それぞれの特徴、そしてFSCをはじめとした森林認証制度を取り上げ、建築の中での国産材の利用をいかに推進するかを模索している。木材関連の現時点でのトレンドを把握することもできると思うので、業界関係者で「国産材の活用」をテーマとしている人は読んで損のない本だと思う。
この本の大きなマイナス点としては、グラフや写真が一枚も提示されていないことだろう。
同じ著者による平凡社新書の「日本の森はなぜ危機なのか」のような図版の使い方ができていれば、直感的にもわかりやすい本になったと思うし、書店の店頭でパラパラしたときに「買おう」という購買力をそそるものにもなったと思う。
あとは、書名が大仰すぎて内容とギャップがある点だが、これに関しては著者のブログで述べられていた理由で納得してしまった。
この本の中にあったいくつかの話題の中では、今後中国がどの程度日本の木材を輸入していくのかというところに大きな関心を持った。