ものづくり道
この本の著者である西堀榮三郎氏は、量産のための真空管「ソラ」を発明して日本の半導体研究の基礎を築いた方で、日本流品質管理の創始者的存在、戦後日本を語るときに欠くことができない「伝説の技術者」などと評されている。
そんな西堀氏が書いたこの「ものづくり道」は、半世紀にわたって日本中の開発者・生産現場が耳を傾けた「ヒラメキの鍵」であり、『ものづくりに携わる人が生涯、傍らに置いて、何かに迷ったときに助言を仰ぐ。本書は、そんな珠玉の言葉に溢れている』本だとか。
本書の中で西堀氏は、『喜んでもらえることによって社会の一員としての存在が確認されれば、人間はますますそうありたいと願って創造性を発揮し、新しい価値を生もうとする。そして、その価値を少しでも多くの人に分かってもらおうとして活動する。このようにして人間は成長していくいくのである』と説いている。
このようにみると、本書は技術学者が書いた単なる「ハウツー本」ではなく「社会哲学の書」と言えるのかも知れない。
「ものづくり」の魂を復活させることにより、現代社会から再び「よき社会」を取り戻したいと考えている人にとっても、お薦めの一冊ではないだろうか。